9月29日(月)10:00〜13:00
担当:松田剛 (東京大学 総合文化研究科)
講義名:光で見る脳の働き
講義内容:非侵襲脳活動計測法の1つである近赤外分光法(NIRS)について,その原理や特長,解析方法などを紹介した後,グループに分かれて脳活動計測を体験してもらう。教科書的な内容だけでなく,実際に計測する際に直面する様々な問題とその対策についても言及する。
9月29日(月)14:00〜17:00
担当:橘亮輔 (東京大学 総合文化研究科)
講義名:声の制御と知覚の相互作用
講義内容:声の制御と知覚は互いに影響しあっている。自身の声の聞こえ(聴覚フィードバック)が発声制御において重要であること、発声すること自体が聴知覚に影響を与えることなどについて解説する。また、動物の発声行動の例を取り上げ、ヒトとの共通点を考察するとともに、その神経メカニズムを検討する。さらに、発声パターンを学習により後天的に獲得する能力と、それに関わる神経行動学研究についても紹介する。実習として、聴覚フィードバックの操作により発声に変化が生じる現象を体験する。
9月30日(火)10:00〜13:00
担当:新井学 (東京大学 総合文化研究科)
講義名:言語理解研究概説
講義内容:「私たちはどのように文を理解しているか」をテーマとし、文理解研究における重要なトピックと関連研究を紹介する。特に漸進的処理(Incremental processing)によっておこる解釈の曖昧性と処理コストの関係性に焦点を当て、Garden-path modelやConstraint-based modelsに代表される文処理モデルや、近年注目を集めている予測に基づいて入力情報の処理コストを計算するSurprisal theoryなどの数理モデルが実際の実験データをどのように説明することが可能か説明する。
9月30日(火)14:00〜17:00
担当:小林由紀 (東京大学 進化認知科学研究センター)
講義名:言語の脳内処理 - 脳波による脳機能計測実習
講義内容:脳波測定はヒトの脳から生じる電気活動を記録し観察する方法であるが,人間の言語処理過程を解明するのに非常に有用である。前半は脳波の基礎知識と測定手法と解析手法,さらに,言語処理過程を脳波測定によってどのように解明するかについて実際の研究例を元にして講義する。後半は4,5人のグループに分かれて,言語課題を用いて脳波の計測と解析を体験する。
10月1日(水)10:00〜13:00
担当:高橋麻理子 (東京大学 進化認知科学研究センター)
講義名:動物音声科学
講義内容:動物と人間の音声コミュニケーションの特徴について,主に行動生態学の視点から概観する。はじめに,動物が用いる音声の多様性,その役割や進化について解説する。次に,動物研究と同じ手法で人間の音声を分析・考察した研究を紹介し,音声解析ソフトを使って自分の声から音声パラメータを取り出す手続きを体験する。最後に,人間に近縁な類人猿の「言語研究」について簡単に紹介する。
10月1日(水)14:00〜17:00
担当:中谷裕教 (東京大学 進化認知科学研究センター)
講義名:fMRIの原理/エキスパートの直観の神経メカニズム
講義内容:前半は脳機能イメージングの一つであるfMRI(機能的磁気共鳴画像法: functional magnetic resonance imaging)の原理について解説する。fMRIとは神経活動に伴う血流動態反応を可視化する手法であり、fMRI実験用の装置が今年度から駒場キャンパスに導入されている。後半はfMRIを用いた研究の例として将棋やチェスを対象としたエキスパートの直観の神経メカニズムについて紹介する。
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