進化認知科学研究センター
ホーム
シンポジウム・研究会等
教育
アクセス・連絡先
リンク
公募
2013年 | 2012年 | | 2011年 | 2010 | 2009年 | 2008年 | 2007年2006年2005年2004年

平成21年度(2009年)


広域科学専攻
進化認知科学
(責任教官:長谷川寿一)

言語情報科学専攻
言語情報科学特別講義I
(責任教官:伊藤たかね)

日時

・9月28日(月)〜9月30日(水) 2〜5限、もしくは10:00〜13:00、14:00〜17:00
・11月26日 6限
(日によって授業時間帯が異なるので注意すること)

場所 9月28日〜9月30日:18号館 1階メディアラボ2。11月26日もメディアラボ2です。
(担当者により適宜教室変更があり得る。その場合は掲示にて、または開講時に指示する。初日の集合場所は上記メディアラボ2である。)
講義概要
 21世紀COEプログラム「心とことばー進化認知科学的展開」(2003〜2007)は、一つの専門分野にとどまらず、複眼的視点と複数の研究手法に通じた若手研究者の育成を目指し、領域横断的な人間総合科学を構築することを目標とする学際的プロジェクトであった。本年度よりその研究基盤は「進化認知科学センター」として引き継がれている。本講義は、プロジェクト関連メンバーおよびゲスト講師により行われるオムニバス形式の講義である。認知科学の中でも脳科学、言語学、心理学など、複数の分野にまたがる最新の研究成果を、実験実習や演習を交えながら紹介する。

履修上の注意
 この授業は,9月28日〜30日および11月(詳細日程は未定)に実施する。講義内容の詳細等については、このウェブサイトに順次掲載する。なお、これまでに本講義を既に2回(以上)受講している場合は、本年度の受講は認められない(本年度が2回目の学生は可)。

履修登録方法
 履修を希望する学生は,以下の3点を厳守して下さい。

(1)以下の方法で仮登録をして下さい。
  ・所属・学年・学生証番号・氏名
  ・これまでの本講義の受講歴の有無
  ・受講歴がある場合は,何年度に受講したか
  を明記したメールを、「集中講義仮登録」という件名で、
  office_at_ecs.c.u-tokyo.ac.jp ("_at_"は"@"に置き換えてください)
  宛てに9月21日(月)までに送付

(2)9月28日(月)の2限の授業(18号館1階メディアラボ2)に必ず出席し,授業実施の時間・場所等についての説明を受けて下さい。

(3)正式な履修登録は,授業終了後,他の冬学期科目を登録する際に忘れないように登録して下さい。


9月28日(月) 2, 3, 4限

担当:小林由紀 (東京大学 進化認知科学研究センター)
講義内容:脳波測定は、ヒトの脳から生じる電気活動を記録し観察する方法である。脳波の基礎知識と測定手法、人間の言語処理に関わる脳波について簡単に講義した後、4、5人のグループに分かれて、言語課題遂行中における脳活動の計測を体験する。

9月28日(月) 5限

担当:伊藤たかね (東京大学 総合文化研究科)
講義内容:日本語の受身を例として取り上げ、統語分析の基礎を体験する。さらに、失語症患者の言語使用や幼児の母語獲得の先行研究を紹介し、受身がどのように獲得・喪失されるかを検討する。理論言語学的な研究と神経・心理言語学的実験研究とが協働することの意義を確認すると同時に、どうしても欧米語の研究が中心になりがちな中で、日本語のような欧米語と体系の異なる言語を用いることが大きな意味を持ちうる研究のあり方をも伝えたい。

9月29日(火) 10:00〜13:00

担当:松田剛 (東京大学 情報学環)
講義内容:最も新しい脳活動計測法の1つである近赤外分光法(光トポグラフィ)について、その原理や特長、解析方法などを紹介した後、グループに分かれて前頭前野の活動計測を体験してもらう。教科書的な内容だけでなく、実際に計測する際に直面する様々な問題とその対策についても言及する。

9月29日(火) 14:00〜17:00

担当:木村健太 (東京大学 総合文化研究科)
講義内容:脳波は、脳の情報処理過程を検討するツールとして広く用いられている。近年、脳波の特性の中でもその周波数特性が学習,言語,知覚などの認知過程と密接に関連することが示されている。本講義は、脳波の周波数特性についての原理と先行研究について講義した後、脳波計測と周波数解析を体験することを目的とする。

9月30日(水) 10:00〜13:00

担当:高橋麻理子 (東京大学 進化認知科学研究センター)
講義内容:行動生態学の視点に立ち、動物と人間の音声コミュニケーションの特徴について概観する。まず、動物が用いる音声の多様性、その役割や進化について解説する。次に、動物研究と同じ手法で人間の音声を分析・考察した研究をいくつか紹介し、音声解析ソフトを使った実習で、自分の声から音声パラメータを取り出す手続きを体験する。最後に、小鳥の歌の「文法」の研究と、そこから生まれた人間の言語の起源に関する最近の仮説を紹介する。

9月30日(水) 14:00〜15:30

担当:長谷川寿一 (東京大学 総合文化研究科)
講義内容:本近年の分子進化学の証拠から、ヒトとチンパンジーの遺伝的距離はチンパンジーとゴリラのそれよりも近いことが明らかになった。では、行動形質を比較したときに、ヒトとチンパンジーの異同はどこに現れるのだろうか。ここでは、霊長類進化の中で、ヒトがいかにして「特別なチンパンジー」になったのかを、近年の研究成果をふまえて解説する。

11月 26日 6限  New!

担当:大嶋百合子 (マッギル大学)
講義内容Early word learning in young children
A growing body of research has shown that young infants are able to use morphosyntactic information in input to categorize new words into grammatical categories such as nouns and verbs (Mintz, et al., 2002). Furthermore, recent research has demonstrated that children under 2 years of age are able to use morphosyntactic cues to map new words onto their referents after only minimal exposure to the word-event pairings without contextual or social support (Echols & Marti, 2004; Oshima-Takane et al., 2008). However, whether young children’s representations of morphosyntactic information are abstract enough to guide early word learning is under debate (Dittmar, et al., 2008; Gertner et al., 2005; Gleitman, 1990; Tomasello, 2003). In this talk, I will examine this issue by presenting two types of habituation data. From one, I will show evidence that children under 2 years of age are able to use both noun and verb morphosyntactic cues in a word learning task in which the novel words have more than one possible interpretation (i.e. agents or actions) and when morphosyntactic cues are not consistent with perceptual cues. From the other, I will provide evidence for an early capability to generalize new verbs to previously unseen instances with a new agent. Based on these findings, I will argue that children’s representations of both noun and verb morphosyntactic information are abstract enough to guide early word learning. However, children’s cognitive resources such as memory, attention, etc. are still limited at early stages of language development (Dapretto & Bjork, 2000; Werker & Fennell, 2004). Hence, young children may fail to access their morphosyntactic knowledge when word learning tasks are too demanding and consume too much of their cognitive resources.

ページのトップへ