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活動内容Top活動内容2003

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第3回COE共催研究会
日本臨床社会心理学研究会(JACS)
日時 2003年11月27日 18:00〜20:00
場所 東京大学駒場キャンパス2号館
講演者
タイトル
森脇愛子(本COE特任研究員,東京大学大学院総合文化研究科)
対人関係からみた抑うつ
講演者
タイトル
伊藤拓(早稲田大学人間総合研究センター)
抑うつとネガティブな反すう
日本臨床社会心理学研究会(JACS)は、若手の臨床社会心理学の研究者が毎月定期的に開いている研究集会である。今回は、本COE特任研究員の森脇愛子氏と早稲田大学の伊藤拓氏が、抑うつについての心理学的研究を発表した。この研究会では30名ほどの若手研究者が参加した。森脇氏は、抑うつと対人関係の関係について、従来の研究を概観し、抑うつと自己開示についての研究が一面的な視点でしかおこなわれていなかったことを指摘した。そのうえで、抑うつと自己開示の関係に関する自身の組織的な研究を紹介した。この研究によって、開示者の自己開示が不適切であると、相手の反応が非共感的なものになり、それによって開示者がかえって抑うつ的になるということを明らかにした。一方、伊藤氏は、ネガティブな反すう(その人にとって,嫌悪的・否定的なことを長い間繰り返し考えること)という新たな概念に着目し、抑うつとの関係についての研究をおこなっている。伊藤氏の調査法や実験法を用いた実証的研究によって,ネガティブな反すうが抑うつを引きおこすメカニズムとして重要な要素であることが確かめられている。発表後におこなわれた聴衆との活発な討論によって、森脇氏と伊藤氏の研究が、抑うつの認知療法や行動療法を考えるに当たって大きな示唆をあたえることが浮き彫りになり有意義であった。