進化認知科学研究センター
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活動内容Top活動内容2003

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第1回COE共催シンポジウム
「心の進化学と考古学」
日時 2003年9月15日 13:30〜15:30
(日本心理学会第51回大会)
場所 東京大学本郷キャンパス
法文2号館31番教室
司会
話題提供

討論

参加者
長谷川寿一(COE)
内田亮子(千葉大学)
松本直子(岡山大学)
佐伯胖(青山学院大学)
柏木恵子(文京学院大学)
約500名
心理学が対象とする心は,通常,現代生活をする人々の心であり,従来の心理学のタイムウィンドウは,せいぜい個人の一生(すなわち数十年の幅)であった。一方,近年発展しつつある進化心理学では,心の進化や由来を問題にし,より長期的な時間軸から,ときには数百万年というスケールで心の成立と発生を考える。今回のシンポジウムでは,心理学の関連領域である先史人類学と考古学の専門家の中でも心の進化と歴史性に詳しいお二人をお招きし,近年の研究動向について紹介いただいた。内田亮子先生からは、「「心」の進化と遺産?600万年間の過去の証拠から」というテーマで、人類進化約600万年を振り返り、脳の機能(心の働き)に関する最新の人類学的知見が紹介された。「心」の進化を読み解く手がかりとなる過去の証拠について、様々な興味深い研究を聞くことができた。松本直子先生からは、「認知考古学は心の進化をどうとらえるか」と題して、心の進化をめぐる学際的な研究の進展に、近年、大きく貢献しつつある認知考古学の動向についてお話いただいた。心の進化と深く関わる集団規模,道具の製作と使用,性別分業,性淘汰,象徴的認知能力などについて,考古学者がどのような議論を展開しているか,またそれらの分析を通してどのような心の進化モデルが提示されているかが、多くの遺物写真とともにわかりやすく紹介された。このシンポジウムを通じて、進化的アプローチが心理学、人類学、考古学をつなぎ合わせる役割を果たすことを、あらためて確認することができた。